2018余呉漆漆掻きスタート

遅ればせながら余呉漆復活プロジェクト2018漆掻きスタートしました。
漆の木から漆の樹液を採取する漆掻きのシーズンは6月中旬から10月頃まで。
本来は、1ヶ月前には始めたいなければならなかった本年度の漆掻きをやっと7月22日から始めることができました。
漆掻きといっても現存する漆の木が少ないので、ほんの少し実験的に漆を掻くようなものですが。
漆掻きには2つの方法があります。
ひとつは、殺し掻きといって1本の漆の木から1シーズンかけて樹液を取り尽くし、シーズンが終わったらその漆の木を切り倒してしまうという方法。
もうひとつが、一本の漆の木から何年かかけて樹液を採取する養生掻きという方法。
現在、日本産漆の産地で行われている方法は殺し掻き。
実は、殺し掻きの方法は知っていても、養生掻きについては方法を知らないのです。
昨年は、5本の木の漆掻きを行なったのですが、7回掻いてそれ以降はできていなかったので、昨年掻いた木を引き続き掻きます。
それと、違う場所に生えている漆の木を1本掻く予定でいます。
1回目は漆掻き用のカンナと呼ばれている道具で長さ2cmくらいのキズをつけるのですが、漆の樹液はほとんで出てきません。

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これは僕の推測ですけど、キズをつけることによって漆の木に対して合図を送っているようなものなんじゃないかと考えています。
2回目も漆の樹液はほとんど出ず、3回目くらいから漆の樹液を採取できるようになると思います。
7月22日の作業は、中之郷の北陸道高架下の漆の木に漆掻き1回目のキズをつけたのと下草刈り。
上丹生前川鉄工所横の漆畑の1本に1回目のキズをつけて、あとはその場所の下草刈り。

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写真に写っている3本のうちの真ん中の木を今年漆掻きをします。

斜面に生えているのと根元が曲がっているので条件はかなり悪いのですが、密集して生えているので殺し掻きでシーズンが終わったら切り倒したいと思っています。

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上丹生前川鉄工所横の漆畑は傾斜になっているのと深い草に覆われているので、小一時間の下草刈りで体力的にダウン。

漆の大木には今年も漆の実がたわわに実ってました。

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仕事の都合があったり猛暑だったり思うように余呉に足を運べないのですが、ぼちぼちやっていきたいと思います。

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昭和38年(1963年)滋賀県長浜市生まれ。 漆塗職人をやってます。お箸お椀から建造物の漆塗りまでオールラウンドにこなします。日本一の漆バカを目指し、日本初のうるしエバンジェリストとして漆の魅力を広く伝えていきます。

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