漆の木ってどんな木
日本一のうるしバカを目指す男、うるしエバンジェリストの渡邊嘉久です。
漆の木ってどんな木?
塗料としての漆が採取される漆の木は、植物の分類によると、ウルシ科ウルシ属ウルシ種。
日本では現在、北は北海道網走市から南は大分県竹田市まで広く分布してます。
中国・朝鮮半島にも広く分布しており、主成分はウルシオール。
さて、その漆の木だが、直径50cm、樹高10mほどに成長する落葉高木。
雌雄異株で古くから雌木は蠟、雄木は漆採取用として区別されてきました。
漆の木が育つのに適した場所は、民家の周囲、川の土手、山の麓など、肥沃な砂礫混じりの土壌と十分に太陽の光が当たるところ。
この条件を満たした漆の木は、枝の横の成長が盛んで葉がたくさんつき、漆が多く分泌されます。
漆の木は適地選択と適切な管理を要する手間のかかる樹木であり、縄文時代から栽培が行われいたと推測されています。
海外の樹液塗料のうちベトナム北部…台湾のものはハゼの木の一種(和名アンナンウルシまたはインドウルシ)で、主成分はラッコール。
ミャンマー・タイ・ラオスのものは和名ビルマウルシで、主成分はチチオール。
それぞれ異なる特性を持っていますが、木や竹製品などの塗装に使われる共通性から、製品は「漆器」として扱われています。
よく、山に行くとかぶれるあのウルシの木から樹液が取れるんでしょ、と聞かれますが、樹液が採れるのは樹液採取用に栽培された漆の木です。