漆刷毛は何の毛?

日本一のうるしバカを目指す男、なべこと渡邊嘉久です。

 

漆を塗るときには刷毛を使います。
この漆刷毛は何の毛でできているでしょうか?

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中学生や一般の人たちに漆のお話をすることが度々あるのですが、いつもこの質問を投げかけてみます。

 

いろんな答えが返ってきます。

たぬきの毛、いたちの毛、熊の毛、馬の毛などいろんな答えが返ってきますがなかなか正解はありません。

 

実は漆刷毛は人間の毛髪でできています。

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この質問、正解を伝えると「へぇ〜」という反応が返ってきます。

 

漆は粘り気のあるものなので腰のある毛が必要です、またきれいに塗るには太くて硬すぎてもだめで、漆といちばん相性がいいのが人間の毛髪なんでしょうね。

なかでも日本人の女性の毛髪が一番良いそうです。

 

髪の毛を板状にのり漆で固めて四方を板で挟んで漆刷毛は作られます。

 

漆刷毛を作る職人さん、現在では日本でお二人になってしまったそうです。

漆工芸も先細る一方ですが、その仕事を支える道具を作る職人さんも減っていく一方です。

 

漆工芸は日本が誇る文化の一つだと思います。

漆の仕事に携わるものの一人として、漆文化の存続と発展に少しでも寄与できたらと思っています。

 

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昭和38年(1963年)滋賀県長浜市生まれ。 漆塗職人をやってます。お箸お椀から建造物の漆塗りまでオールラウンドにこなします。日本一の漆バカを目指し、日本初のうるしエバンジェリストとして漆の魅力を広く伝えていきます。

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