何かを修復しようとするとき業者選びは大事です

祭に使われる山車の修復を数多く手がけています。

近年は県外からもいろいろと修復の依頼をいただくようになってきました。

最近、その山車の修復に関わる業者の中で、よからぬ業者が暗躍しているという話を聞きました。

 

その業者というのは、漆塗りや木工とはまったく違う分野の業者なのですが、自分の専門分野の仕事が受注しにくくなったためか専門以外の仕事を受注することに力を入れているようです。

口がかなり上手いのでちょこちょこと仕事を取ってくるようです。

でもね、あまりにも漆塗りとか木工のことを知らないそうです。

下請けで仕事をする業者をどこからか探してきて、その下請け業者に仕事を丸投げするそうですが、仕事の打ち合わせをしてもちぐはぐなことばかりだそうです。

施主さんはもっと素人なので、その業者の口の上手さから業者のことを信用してしまうようですね。

 

その業者にかかるとものの良し悪しも関係なく、とにかく綺麗になったらそれでいい。

素材も見えないところは何でも構わない。

とにかく安く上がったらそれでいい。

マージンをたっぷりとのせる必要があるので、とにかく値切ってくる。

昔からある価値あるものがどうなっても構わない。

というのが現状らしい。

 

この分野に限らず、いろんな業界で金儲けだけが目的の業者はいるんでしょうが、祭に使う山車なんかは昔から地域の人が大切に守ってこられたものなので、悪い業者の手にかかってほしくないんです。

業者選びは大切です。

あの手この手ですり寄ってくる業者は要注意ですよ。

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昭和38年(1963年)滋賀県長浜市生まれ。 漆塗職人をやってます。お箸お椀から建造物の漆塗りまでオールラウンドにこなします。日本一の漆バカを目指し、日本初のうるしエバンジェリストとして漆の魅力を広く伝えていきます。

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