祭屋台等製作修理技術者会研修会大津大会

12月7日土曜日に大津市で開催された『祭屋台等製作修理技術者会研修会大津大会』が開催されました。

祭屋台等製作修理技術者会とは国の重要無形民族文化財に指定されている祭の保存団体で構成されている全国山鉾連合会の中の部会で、祭に使われる山車の製作や修理に携わる技術者の会です。

山車の製作や修理に必要な木工や漆工、金工、彫刻、染織など多岐にわたる分野の技術者で組織されています。

この祭屋台等製作修理技術者会は国の選定保存技術の保存団体に指定されており、年に2回研修会が開催されます。

 

7日8日と2日間にわたって開催された大津の研修会ですが、僕は所用のため土曜日のみ参加してきました。

一日目の7日は、大津港に浮かぶビアンカ船上で第一部が基調講演、第二部が分科会でそのあと交流会というプログラム。

 

基調講演は『曳山・山車修理と“美装化”問題』というテーマで久保智康先生の講演。

久保先生には長浜の曳山修理をはじめ各地の山車修理でご指導いただいているのですが、改めて文化財山車修理の心構えを確認させていただくとともに常日頃より古いモノに学ぶ姿勢を教えていただきました。

第二部の分科会は、染織、絵画・漆工、からくりの三分科会。僕はもちろん絵画・漆工の分科会に参加しました。

当初は、講演を聴くだけの気楽な立場で参加する予定でした

そしたらなんと、講師の金沢美術工芸大学学長の山崎剛先生から山車修理の事例報告をするようにとの指示。

持ち時間は20分。

大津祭の山車修理と長浜曳山祭の山車修理の事例を報告することに。

PowerPointに写真を何枚も取り込んで準備。

第二分科会は山崎先生が導入の講演。

そして僕が漆工品修理の事例報告、そのあと絵画を修復された方が絵画修理の事例報告。

そして山崎先生のまとめ。というプログラムでした。

山崎先生はアカデミックな話をわかりやすくお話しされます。

絵画の方もアカデミックな事例報告。

僕は、いつものごとく緊張マックスでいきなり「琵琶湖の北の長浜から舟を漕いでやってきました」と訳の分からないことを口走ってしまった状態からスタート。拙い話をグダグタになりながら時間だけはオーバーして事例報告。

アカデミックな研修会にブルーカラーの職人が拙い話をしてしまい反省多々ありでしたが、先生方の話しを聞けたこと、自分自身も話す準備のために修理の振返り確認ができたことはいい勉強になりました。

あくなき探究心を忘れず知識・技能の研鑽に努めようという思いを新たにできた研修会でした。

今回の研修会での学び気づきを今後の山車修復の仕事に生かしていきたいと思います。

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昭和38年(1963年)滋賀県長浜市生まれ。 漆塗職人をやってます。お箸お椀から建造物の漆塗りまでオールラウンドにこなします。日本一の漆バカを目指し、日本初のうるしエバンジェリストとして漆の魅力を広く伝えていきます。

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