まつり紀行〜桑名石取祭〜日本一やかましいまつり

日本一のうるしバカを目指す男が、日本一やかましい祭『桑名石取祭』に行ってきました。

山車修理請負人の渡邊嘉久です。

 

初めて行ってきました,桑名の石取祭。

やかましい祭だとは聞いていましたが、ほんとにやかましかった。やはり日本一だと思います。

大きな太鼓と鉦を力の限り叩く。

祭車の近くでは会話もできないくらいです。

際車が何台も並んで太鼓や鉦が叩かれる様はまさに圧巻。

ちなみに桑名では山車のことを祭車と呼びます。

国指定重要無形民俗文化財
桑名石取祭の祭車行事(くわないしどりまつりのさいしゃぎょうじ)
保護団体名:桑名石取祭保存会


この行事は、旧城下町桑名の総鎮守、通称春日神社で行われ、町屋川で採取した石を氏神に奉納することを目的とした石取りと呼ばれる行事が祭礼化したものである。

行事の中心は、8月第一日曜日の本楽とその前日の土曜日の試楽である。土曜日は午前零時より各祭車が鉦・太鼓を叩き始める叩き出しがあり、夜が明けると各町内が春日神社に献石をする。

夕方は、町練りと称して祭車を曳きまわす。日曜日は午前2時に再び叩き出しがあり、夕方には全祭車が町を練って春日神社前に集合する。この行事は、我が国の山・鉾・屋台の祭の成立過程において独自の展開過程をとったものとして重要な文化財として国指定を受けた祭りである。

 

春日神社には各町内から石が奉納されていました。

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山車修理請負人として祭を見に行っているので、一応祭車のことから。

石取祭の祭車はこんなかんじです。

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3輪で全長は4メートルほど。2回部の高さは2メートルほど。

太平洋戦争で焼失した祭車も多くあったらしく、新しいものも見受けられました。

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高村光雲作の木彫が取り付けられているものもあります。

飾り金具も豪華で、この祭車の飾り金具は銀製です。

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漆塗りも丁寧な仕事が施され、螺鈿や蒔絵が施された豪華なものもあります。

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それぞれの町内が負けじと豪華なものを作ろうとしたんだろうなという心意気と、職人も町衆の心意気に応えるべく技の限りを尽くしていいものを作ろうとしたんだろうなという熱い想いが伝わってきます。

このように素晴らしい仕事を見ると、僕も山車修理請負人として先人に負けないような素晴らしい仕事をしたいという想いがフツフツと湧きモチベーションがアップします。

 

祭車の方向転換は前輪を持ち上げて。

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祭車の後ろには大きな太鼓と鉦が吊り下げられています。

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老若男女みんなで太鼓を叩き、みんなで祭を楽しんでいる様が伝わってきます。

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小さな子供も太鼓を叩きます。

衣装もバッチリきまってます。

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際車の後ろには、給水カート。

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日本一やかましいまつりを町の人みんなで楽しんでおられます。

まつりを楽しんで、まつりを盛り上げる町衆のパワーが街を盛り上げていく原動力になっていくんでしょうね。

 

やっぱり 祭っていいもんですね。

 

感謝と責任を感じ、仕事への決意を新たにした石取祭の夜でした。

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昭和38年(1963年)滋賀県長浜市生まれ。 漆塗職人をやってます。お箸お椀から建造物の漆塗りまでオールラウンドにこなします。日本一の漆バカを目指し、日本初のうるしエバンジェリストとして漆の魅力を広く伝えていきます。

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