工藝の庭に出展してきました
湖と森と里山と。
滋賀県高島市は琵琶湖の北西に位置し、豊かな生態系の中で人が暮らしています。ここは自然と人が様々な循環の中で、「暮らしを整える」という価値観を成熟させ、文化として根ざしてきました。工藝の庭は、この土地で循環するありとあらゆる生命が集い、語らう庭です。
魂を削りだしたような木工。心のうちを叩いたような金工。手と土が溶け合うような陶工…。滋賀県を中心とした様々な分野の作家がこの庭に集います。
ようこそ、わたしたちの庭へ。
9月3日(土)4日(日)に開催された『工藝の庭』というクラフトフェアに出展してきました。
場所は、高島市安曇川の旧広瀬小学校。
今年の3月に廃校になった小学校です。
心配された台風の影響もなく、好天に恵まれた中の開催となりました。
主に滋賀県内で活動する工芸作家35組の出展。
その他に、ワークショップコーナや飲食ブースもあるイベントでした。
決して交通の便がいいとは言えない開催場所、第1回目の開催、ということでどれくらいのお客さんが来られるのだろうと思っていましたが、不利な条件のわりには多くのお客さんで賑わったイベントだったと思います。
自分のブースの店番があるので、他のブースをゆっくりと見て回るということもできなかったのですが、陶磁器や木工、ガラス、染織、漆などいろんな分野の作家が出展する展示ブースは個性的な作品が並び見ごたえのある面白いものでした。
中でも面白いなと思ったのは、モノを売るというより体験の場としてブースを展開されていた作家さん。体験と言っても、モノを作る体験ではなく、そのモノを使ってできることを体験してもらうという感じです。
けっして何かをガツガツと勧めるわけでもなく、ほのぼのとした雰囲気の中で会話を重ねながらモノを使う体験をしてもらう。
そうした積み重ねの中で、そのモノのファン、その作家さんのファンが生み出されていくんだろうなと感じました。
工藝の世界も、素材や技術といったスペックだけを売りにしていては、なかなか客さんに関心を持ってもらえない時代ですね。
素材へのこだわりや高い技術は当然のこととして、使い手にいかにしてコトを提案できるか。
それが、これからの作り手の課題ではないかと感じました。
今まで、このようなイベントに出展者側として参加するコトはほとんどなかったのですが、出展者側に立ってみるといろいろな気づきや刺激があるもんですね。
素晴らしいイベントに参加できてよかったなと思うとともに、この素晴らしいイベントを企画実施してくださった実行委員長はじめ実行委員の方のご苦労は計り知れないものだと思います。
こうして素晴らしいイベントになったのは、実行委員長や実行委員の方々の人柄や今までの実績があってこそなんでしょうね。
ぜひ来年以降も『工藝の庭」を続けて開催しより素晴らしいイベントに育てていってほしいなと思います。
実行委員長はじめ実行委員の皆様、来場いただいたお客様、本当にありがとうございました。
追伸
2日目の展示が終わってからの搬出作業。
展示会場は2階にあったので、什器や作品を階段を使って運びます。
これが疲れた体には結構こたえる。
同じ部屋で展示していた作家同士お互いに助け合いながら搬出作業をしました。
搬出作業も完了し別れ際「お疲れさま、またどこかで」と言って握手。
この瞬間、何故かわからないが「ああ、このクラフトフェアに参加してよかったな」と思ったのでした。
車で廃校を後にし、すぐ近くを流れる安曇川の橋を渡る時左手の方角に出ていた虹はキレイだった。