長浜曳山博物館修理ドックのことを中学生に説明

先日、地元長浜西中学校の総合学習曳山文化教室のお手伝いに行ってきました。

曳山博物館見学の中で曳山修理ドックの説明です。

長浜曳山博物館には曳山を修理する修理ドックあります。約15m✖️約 8m 高さ約10mくらいの広いスペースです。

曳山の修理に携わっているということから中学生に説明する役目がまわってきたということです。

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約10分間で修理ドックの説明や曳山修理の概要、専門の漆のことなどを話します。

どんなことを話したか。

曳山の修理にはいろんな分野の職人が携わっているということ。

解体・組立、木部修理には宮大工。

飾り金具の修理には金工職人。

漆の部分の修理には漆塗り職人。

鉄金具の修理がある場合は鍛冶屋さんが携わるなど。

中学生相手なのでなるべく分かりやすい言葉で話そうと心がけるが、どこまで伝わっているかはわからない。

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長浜曳山博物館の修理ドックの特徴の一つが天井に備え付けられたチェーンブロック。

このチェーンブロックを使って曳山の解体・組立を行うわけです。

屋根や梁など大きくて重い部材を吊り下げて作業します。

手動なので動きは遅い。

誤作動による急な動きがないので安心して作業できるということも言えるんでしょうけどね。

 

そして何より長浜曳山博物館修理ドックのすごいところが、約15m.✖️約8m 高さ約10mの広いスペース全体を温湿度管理できるということ。

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空調をオンにすると設定した温湿度になります。

漆が固まるには適温適湿20~25度くらいの温度と70~80%くらいの湿度が必要なわけですが、この修理ドックはドック全体の広いスペースをその環境にすることができるわけです。

真冬に漆を塗っても温度20度湿度70%の環境で漆を乾かすことができるってことです。

工房で漆塗りの作業をするときは漆ムロに塗ったものを入れて漆を固めるが、曳山の修理では何mもあるような漆ムロに入らない大きな部材も多く、そのような大きな部材の漆塗りをするときにはものすごく役に立ちます。

特に補助金を使って修理が行われる場合は納期が3月末になり、必然的に真冬の寒い時期に漆塗りを行わなければならず、この設備のおかげで季節に関係なく支障なく漆塗りの仕事が行えるわけです。

こんな感じで修理ドックの説明をした後は、漆のことについてもちょっと説明。

漆を掻いた後の漆の木を持ち込んで、木に傷をつけると漆の樹液が滲み出てくるということを説明。

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そして、漆刷毛を実際に触ってもらって「何の毛でできていると思う?」と問いかけた後に人間の毛髪でできていることを告げます。

今まで、中学生に何度か漆のことについて話しているが、一番驚きの反応があるのが漆刷毛のこと。

漆刷毛が人間の毛髪でできているという話は、漆の話初級編の定番みたいなもんです(笑)

 

こんな感じで10分間の話を12回繰り返して中学生への説明は終わりました。

中学生が地元のまつりの長浜曳山まつりや漆のことに少しでも興味を持ってくれたらいいなと思った、ある秋の日。

 

『うるしバカ』とか『うるしエバンジェリスト』とか名乗りながら久しぶりに漆のこともブログに書いたような気がする漆塗り職人の渡邊嘉久でした。

 

 

 

 

 

 

 

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昭和38年(1963年)滋賀県長浜市生まれ。 漆塗職人をやってます。お箸お椀から建造物の漆塗りまでオールラウンドにこなします。日本一の漆バカを目指し、日本初のうるしエバンジェリストとして漆の魅力を広く伝えていきます。

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長浜曳山博物館修理ドックのことを中学生に説明” に対して2件のコメントがあります。

  1. シミズヒロアキ より:

    12回も??一クラスずつ説明されたのですか?!それはお疲れ様でした。実物を見ると、漆の木って、こんなに太いんだってわかりますね。うちの裏山で見かける木はもっと細くてきゃしゃなので、小さいころはどうやってあの液体をとるのかと思っていました。生徒さんにはいい勉強になりましたね。

    1. 渡邊 嘉久 より:

      1クラスを2つのグループに分けて、曳山博物館の中の4カ所を回るようになってます。朝から午後3時過ぎまでです。普段しゃべりなれていないので余計に疲れます(笑)実物を見せないとなかなか伝わらないですからね。

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