漆塗り職人の手

日本一のうるしバカを目指す男、うるしエバンジェリストの渡邊嘉久です。

僕の本業は漆を塗る職人です。
毎日のように漆を触っているので、いつも漆で汚れた手をしています。

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これくらいの汚れは、自分の中ではまだきれいな方なんですけど、人から見るとけっこう汚く見えるんでしょうね。

僕の父親なんかは、いつももっと汚い手をしてたので、漆で手が汚れるのは当然という感覚になってしまってます。

漆の仕事をしているといいながら、いつもきれいな手をしている人をみると、なんだか胡散臭く感じたり、その人が漆を塗ったものが安っぽく感じてしまうんです。
いつもきれいな手をしている人は、漆の仕事をしているというのはウソで全て誰かにやらせてるんじゃないか。漆が手につくのがイヤで、いつも手袋をしてるんじゃないかとか。
手袋を否定するわけではありません、僕も時と場合によっては手袋をはめます。

でも、お寿司やさんのことを考えてください。
安い回転寿司を作っている人は手袋をはめてお寿司を作っています。しかし、回転寿司じゃないちょっと高級なお寿司やさんで、手袋はめた職人が寿司を握っていたら、安っぽく感じるしイヤですよね。

まあ、どうでもいいことなんですけど。漆で手が汚れるのがイヤで漆の仕事ができるかっ‼︎てことなんです。

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昭和38年(1963年)滋賀県長浜市生まれ。 漆塗職人をやってます。お箸お椀から建造物の漆塗りまでオールラウンドにこなします。日本一の漆バカを目指し、日本初のうるしエバンジェリストとして漆の魅力を広く伝えていきます。

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