見積金額が大きく違うのはなぜ?

ここ何年か文化財の修復などで見積書を提出する機会が増えてきました。

補助金などが財源の場合、相見積をとることが必要必要となっています。

相見積で一番安い価格の見積金額を提示した業者が仕事を受注することになるのですが、漆関係の修復の場合、相見積の価格が場合によっては大きく違うことがあるそうです。

最近ある人と喋っていて、なぜそんなに価格差が出てくるのか尋ねられました。

 

答えは簡単、業者によってコストに対する考え方が違うからです。

職人の手間賃をいくらで計算するか。
同じ仕様でも業者によって工数計算は違ってくる。
そんな理由で見積り価格は変わってきます。

 

高い価格を提示する業者が仕事の質をアピールしてくることもありますが、価格の高い安いで仕事の質を判断することは出来ないのが現状です。
安い価格でもいい仕事をする業者もあります。
反対に高い価格でもいい加減な仕事をする業者もあります。
漆関係の修復の場合は同じ仕様であっても仕上がり具合は大きく違うと言っても過言ではありません。

何かを修復する場合は業者選びが重要です。

どうやったら信頼できる業者に巡り会えるのか?
利害関係のない公平中立的な立場の、その道に通じた人に相談するのがいちばん確実かな。
きっと、信頼できる業者を紹介してもらえでしょう。

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昭和38年(1963年)滋賀県長浜市生まれ。 漆塗職人をやってます。お箸お椀から建造物の漆塗りまでオールラウンドにこなします。日本一の漆バカを目指し、日本初のうるしエバンジェリストとして漆の魅力を広く伝えていきます。

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