長浜漆プロジェクトの経緯 その2
初めて浄法寺を訪れ
漆掻き職人から直接漆を購入してから
僕の日本産漆への関心は高まっていった
インターネットや漆屋さんとの会話の中で
日本産漆や漆掻きについての情報を集めた
今のように
SNSが一般的でなく
ブログ記事からの情報収集が主だった
いろいろ調べていくうちに
浄法寺では
漆掻きの人材を養成するための研修制度があることがわかった
その当時
研修制度には二つのパターンがあり
一つは6月頃から10月頃まで続く長期研修
もう一つは一週間程度の短期研修
インターネットで情報を調べ
浄法寺での漆掻き研修に参加した事がある人に
会いに行ったこともあった
その当時は
仕事も忙しく
長期研修に参加するのは難しかったが
短期研修にはなんとか参加できそうだったので
二戸市役所の担当部署に連絡をしてみた
最初は連絡した時期も悪かったので
研修に受け入れてもらうことはできなかったが
次の年の春に連絡し
短期研修に受け入れてもらうことが可能になった
2009年のことだった
実際に
研修のために浄法寺に向かったのは
9月の半ば過ぎだった
漆掻きの繁忙期が過ぎた頃だった
研修期間中
現地での移動のために車が必要だったこともあり
浄法寺には車で向かった
滋賀の長浜から岩手の浄法寺までは約1000km
北陸自動車道〜磐越自動車道〜東北自動車道
というコースで向かった
その当時
高速料金が1000円でどこまででも行ける
という割引制度があり
岩手まで1000km走っても
1000円で行けたのはラッキーだった
浄法寺についたのは午後3時頃だったと思う
二戸市役所の浄法寺支所で
市役所の担当の方に会い
お世話になる漆掻きの職人さんのところに連れっていってもらった
職人さんに挨拶を済ませた後は
宿泊先の民宿に連れっていってもらった
その民宿には
長期研修中の研修生も滞在中で
その長期研修生も紹介してもらった
研修中は組合長である高齢の職人さんと長期研修生が
僕の面倒を見てくれた
宿泊先の民宿は
古民家で
あ婆さんが一人で運営していた
僕の他に宿泊者はなかった
長期研修生は別棟に素泊まりで滞在していたので
食事は食べ切れないくらい何品も出てきた
サンマの旬の季節だったこともあり
宿泊中の夕食の半分くらいにサンマが出てきた
ここ数年は痩せ細った秋刀魚しか口にしていないが
浄法寺の民宿で食べたサンマは
脂が乗ってまるまると肥ったものだった
浄法寺がどぶろく特区になっていて
民宿自家製のどぶろくを毎晩飲んでいた
このブログを書きながら
サンマとどぶろくが懐かしくなってきた
いよいよ明日から
漆掻き研修の始まりだ
その3に続く