長浜漆プロジェクトの経緯 その8

余呉に現存する漆の木が
20本ほど見つかった

漆の木の保全活動として
漆の木に巻きついている
蔓性の植物を除去したり
漆の木の周りの草を刈ったりした

それとともに
漆の木を増やす活動も
細々と取り組んだ

漆の木を増やすには
実生と分根という
二つの方法がある

実生は
漆の実から種を取り出し
それを発芽させる方法

分根は
直径1cmほどの漆の根を
長さ10cmくらいに切って
土の中に埋めて
発芽させる方法

手軽にできるのが
分根

ということで
余呉に生えている
漆の木の周りを掘って
根っこを掘り出して
自宅でプランターに植えて
何本かの
余呉漆のクローンを作った

以前から
余呉漆復活プロジェクトのことを
ブログやSNSで発信していたこともあり
地元の夕刊紙や
新聞の地方版でも
紹介してもらうことが度々あった

それを見た知人が
「うちの土地に漆の木植えてもいいよ」
と言ってくれた

さっそく
旧浅井町の山裾に
数本の漆の木を植えてみた

春に植えて
その年は順調に育っていたが
1年後の春に
新芽を食べられてしまう
という獣害にあい
数本の漆の木は枯れてしまった

あわてて
プランターにあった
漆の木をそこに植えたが
すぐに獣害にあった

そんなある日
NHKから電話があって
滋賀ローカルのニュース番組で
余呉漆復活プロジェクトのことを
紹介してもらえることになった
2018年9月のことだった

余呉に現存する
漆の木のことや
僕が取り組んでいることを
テレビで紹介してもらった

そのテレビを見てくれた知人が
自分の土地に漆の木を植えてもいいよ
と言ってくれた

2017年くらいから
長浜森林マッチングセンターに
漆の木のことで
相談に行ったりしていたので
知人の土地に
漆の木を植えることにも
協力してもらえることになった

森林マッチングセンターのはからいで
県の森林整備事務所の協力も
仰ぐことができるようになった

2019年の春に
西浅井にある知人の土地に
50本弱の漆の木を植えた

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その9へ続く

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昭和38年(1963年)滋賀県長浜市生まれ。 漆塗職人をやってます。お箸お椀から建造物の漆塗りまでオールラウンドにこなします。日本一の漆バカを目指し、日本初のうるしエバンジェリストとして漆の魅力を広く伝えていきます。

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