漆の焼付け

日本一のうるしバカを目指す男、うるしエバンジェリストの渡邊嘉久です。

 

今日は、建造物に取り付ける金具に漆の焼付けを行いました。

ふつう、漆は木に塗るものだと思われますが、金属に漆を塗ることもあります。

昔から、鉄の錆防止を目的に武具や鉄砲などにも漆塗装が施されてきたようです。

 

鉄に漆を塗って普通に乾かしただけでは漆塗膜が弱くすぐに剥がれたりするので、鉄に漆を塗った場合は、焼付けを行います。

漆を焼き付けて硬化させるわけです。

 

漆の焼付けにも幾つかのやり方があります。

鉄を熱く熱したところに漆を擦り付けて焼き付ける方法。

漆を塗ってから焼き付ける方法。

 

今回は、金具に漆を塗ってから加熱して硬化させる方法で焼き付けました。

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定温乾燥機というオーブンのようなものを使います。

温度を140度にセットして約30分焼付けました。

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鉄を漆で焼付け塗装することにより、防錆効果はもちろん化学塗料にはない良い風合いに仕上がります。

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工房が漆を焼いた臭い匂いに包まれるのがちょっと難点ですけど。

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昭和38年(1963年)滋賀県長浜市生まれ。 漆塗職人をやってます。お箸お椀から建造物の漆塗りまでオールラウンドにこなします。日本一の漆バカを目指し、日本初のうるしエバンジェリストとして漆の魅力を広く伝えていきます。

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