梅の季節の茶事

日本一のうるしバカを目指す男、うるしエバンジェリストの渡邊嘉久です。

 

茶道石州流の兄弟子に誘われて、知人会社社長が開いた表千家流のお茶会に行ってきました。

場所は、盆梅展で賑わう長浜慶雲館の茶室。

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炭手前から始まり、懐石、濃茶、薄茶と続く本格的な茶事。

待合でまず白湯をいただく。

案内があり、待合から出て草履を履き蹲(つくばい)で手と口を清め、席入り。

掛物と道具を拝見した後、全員が席に着くと亭主が挨拶に。

亭主が客の一人一人に丁寧に声をかける。

亭主のもてなしの心が伝わってくる。

 

まずは、炭手前。

客一同が炉を囲むようにして、炭手前の様子を拝見。

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客として席入りされている亭主の師匠が炭手前の意味合いなどを話してくださるので、「なるほどそういうことなのか」と勉強になる。

亭主が退出した後、正客から順に香合の拝見をする。

申年にあやかって、猿の伏見人形の香合。

 

続いて懐石。

飯碗、汁椀、向付がのった足つきの膳が出される。

膳には梅の蒔絵が施され、季節を感じさせてくれる。

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足つきの膳なので折敷より食べやすい。

お酒、飯器に入ったご飯、お汁のお替り、煮物、焼物、箸洗い、八寸、湯桶と香の物と続く。

亭主と正客とのやりとり、亭主の師匠の丁寧な解説。

和やかに充実した時間が過ぎていく。

 

膳が下げられた後、主菓子が入った縁高が出される。

梅をかたどった主菓子が梅の季節を感じさせてくれる。

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一旦退出した後、鳴り物の合図で席入り。

 

亭主が茶道口から入り、点前座につき濃茶を点てる。

茶碗は楽。

茶器は、梅が彫られた堆朱の平棗。

写真は撮り忘れたが、この堆朱の茶器が見事な茶器。

梅の季節に合わせて、あえて平棗を濃茶器に用いたそうだが、存在感のある堆朱の茶器が梅づくしのこの茶事を象徴していたのではないかと思う。

 

堆朱とは彫漆の一種で朱漆を百回以上塗り重ねて数ミリの漆の層を作り、乾燥後それに文様を彫刻したものだが、気の遠くなるような作業を経て作られたものだ。

 

続いて薄茶。

今日はバレンタイン。お菓子はホワイトチョコレートが挟まれたマールブランシュの茶の菓。

亭主が客全員にお茶を点ててくれる。

三客目以降は点て出しでお茶が出されることが多いが、一服一服丁寧に亭主がお茶を点てる。

しかも全員に二服目のお茶を出してくれる。

亭主のおもてなしの心と心意気が伝わってくる。

最後にフルーツをいただいて茶事は終了。

 

茶事に漆器は欠かせないものだが、今日の茶事にも多くの漆器が使われていた。

炉縁には唐松蒔絵。松竹梅の松であり、亭主の名字にも松がつく。

懐石の膳や煮物椀にも松竹梅の蒔絵。

堆朱の茶器に、雪月花がデザインされたモダンな棗。

茶会に参加して見事な道具が工夫を凝らされた組み合わせで使われているのを見ると創作意欲が刺激される。

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今日のお茶会は、亭主の心意気ともてなしの心が素晴らしく、本当にいいお茶会でした。

充実した素晴らしい時間を過ごすことができました。

亭主とそのお師匠さん、水屋のお手伝いの方々、誘ってくれた石州流の兄弟子に感謝です。

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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昭和38年(1963年)滋賀県長浜市生まれ。 漆塗職人をやってます。お箸お椀から建造物の漆塗りまでオールラウンドにこなします。日本一の漆バカを目指し、日本初のうるしエバンジェリストとして漆の魅力を広く伝えていきます。

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