黒漆の変色について

日本一の漆バカを目指す男、うるしエバンジェリストの渡邊嘉久です。

 

このブログを読んでいただいている方から、古い漆器の黒漆の変色について質問をいただきました。

一見黒塗りに見えるが、光線の加減によって茶色に見えるという趣旨の質問でした。

これは、おそらくその漆器が長年の使用のうちに紫外線の影響で黒漆が褪色していると思われます。

黒漆は、黒の顔料が入っているわけではなく、漆と鉄を化学反応させることによって作られているので、紫外線の影響によって物理的化学的反応を起こし茶色くなっていくようです。

 

残念ながら、一度茶色くなってしまった漆器は塗り直しをしない限り黒くなることはありません。

蒔絵などの装飾が施されていない無地の漆器なら、塗り直しをすることによって新品同様の漆器に生まれ変わります。

蒔絵などの装飾が施されていて塗り直しができない場合は、摺り漆という技法で薄い漆の膜を作ることにより、塗膜の保護をすることができます。

 

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昭和38年(1963年)滋賀県長浜市生まれ。 漆塗職人をやってます。お箸お椀から建造物の漆塗りまでオールラウンドにこなします。日本一の漆バカを目指し、日本初のうるしエバンジェリストとして漆の魅力を広く伝えていきます。