日本の職人展

ここ数年、仕事のやり方がずいぶん変わってきた、という話を先日書いた。

その流れで、もうひとつ大きく変わってきていることがある。

この歳になっても、まだ「初体験」が続いている、ということだ。

百貨店でのポップアップ出店。

3年前の6月、大阪の阪急うめだ本店で初めて経験したのを皮切りに、東京・渋谷スクランブルスクエアなど、ありがたいことに何度か出店の機会をいただいてきた。

それまでの自分の仕事は、お仏壇や文化財修復といった「請負」が中心だった。

自分で漆器も作ってはいたけれど、それはあくまで本業の合間に、細々と続けていたものに過ぎない。

それが今では、ポップアップや通販に向けた商品づくりが、活動の軸になりつつある。

とはいえ、作れば売れるほど甘い世界ではない。

季節感や世の中の流れを頭に置きながら、「どんなものが喜ばれるのか」を考え続ける日々だ。

「これはいい」と思ったものが、思うように動かないこともある。

売る、ということの難しさを、いまさらながら身に沁みて感じている。

正直に言えば、毎回、経費を考えると赤字だ。

それでもやめられないのは、そこで生まれる出会いがあるからだと思う。

初めてお話しする方。

漆に興味を持ってくださる方。

思いがけないご縁。

会場でいろんな人と話している時間が、単純に楽しい。

毎回、どこかワクワクしながら準備をしている自分がいる。

そんな気持ちで、いまは来月の「日本の職人展」に向けて、せっせと手を動かしている。

新しいものも、いくつか持っていくつもりだ。

ゴールデンウィーク明けのひととき。

もしよろしければ、大阪・阪急うめだ本店へ、ふらっと遊びに来ていただけたらうれしい。

『日本の職人展』

阪急うめだ本店 9階 催場

令和8年5月13日(水)~18日(月)

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昭和38年(1963年)滋賀県長浜市生まれ。 漆塗職人をやってます。お箸お椀から建造物の漆塗りまでオールラウンドにこなします。日本一の漆バカを目指し、日本初のうるしエバンジェリストとして漆の魅力を広く伝えていきます。